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米国連邦控訴裁判所(CAFC)判決
2018年一覧

2018年8月号

In re: HTC Corporation 事件

この判決の少し前に出たTC Heartland事件の最高裁判決は、米国企業を被告とする特許訴訟の裁判地が、被告企業の設立地、又は被告が侵害行為を行いかつ正規の確立した営業所を有する地に制限されることを判示した。一方CAFCはこの判決で、外国企業を被告とする特許訴訟では、被告が訴状の適切な送達を受けることのできる任意の米国連邦地方裁判所において提起可能であることを判示した。

CAFC No. 18-130 (May 9, 2018)

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WesternGeco LLC v. Ion Geophysical Corp. 事件

米国最高裁はこの判決で、米国特許法271条(f)(2)の下で特許侵害を証明した特許権者は、米国外で行われた行為に基づく遺失利益について損害賠償を獲得できることを示した。本事件は、海外で特許製品が組み立てられるように部品を輸出した侵害者に対し、米国外で生じた行為に基づく遺失利益の損害賠償を課した点で重要である。

Supreme Court No. 16-1011 (June 22, 2018)

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2018年5月号

標準必須特許の消尽に関する米国判決の紹介

日本では、標準必須特許に関する知財高裁の判決では特許の実質的な実施品の譲渡に特許の消尽を認めなかったが、アメリカの幾つかの判決は、これらに特許の消尽を認めている。そこで、日本の特許庁による“標準必須特許のライセンス交渉に関する手引”きにも引用されているQuanta 最高裁判決を中心に数件の米国の判決を紹介する。

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Oil States Energy Servs., LLC 対 Greene’s Energy Group, LLC 事件

米国最高裁はこの判決で、特許権は公権であり公権をアメリカ合衆国憲法で定める3条法廷や陪審裁判において裁く必要はないから、IPRがアメリカ合衆国憲法の第3条に反することも、同修正第7条に反することもないと判じた。この判決により、少なくとも当分の間はIPR手続きが存続することなる。

Supreme Court No. 16-712 (April 24, 2018)

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SAS Institute Inc. 対 Iancu 事件

米国最高裁はこの判決で、IPRですべての請願対象クレームではなく一部のクレームのレビューを開始するという特許審判部における実務を認めず、すべてのクレームのレビューを開始するか、全く開始しないかのいずれかにすべきであると判断した。この判決に伴い、特許審判部は手続きを変更し、変更後の手続を説明するガイドラインを発行した。

Supreme Court No. 16-969 (2018)

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2018年4月号

ORACLE AMERICA, INC. 対 GOOGLE LLC 事件

CAFCはこの判決において、ソフトウェアコードのコピーについてフェアユースの成立を否定した。その際に、CAFCは、フェアユースの基準の「トランスフォーマティブ(変容的)」を、新たな著作物であって完全に新たな目的を持つことを意味すると、定義した。なお、CAFCによれば、ソフトウェアコードをコピーすることがいかなる場合もフェアユースに該当しないと判断したのではなく、フェアユースの成立を否定した判断の射程は本件固有の事実に制限される。

2017-1118 (Federal Circuit March 26, 2018)

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BMG RIGHTS MANAGEMENT (US) LLC対COX COMMUNICATIONS, INCORPORATED 事件

連邦第4巡回区控訴裁判所はこの判決でデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のセーフハーバー規定とインターネットサービスプロバイダ(ISP)加入者に対するISPの二次的責任に関する争点を検討した。最終的に第4巡回区控訴裁判所は、反復的な侵害者へのポリシーを実行及び適用するにあたるIPSへのガイダンスを提供し、裁判所によって侵害者であるとの判決を受けた個人だけではなく、反復的な侵害行為のすべての事例に対処しているISPに対してのみセーフハーバー保護が与えられるとの判断を示した。同時に第4巡回区控訴裁判所は、地方裁判所の陪審への説示を覆して、実際に知っていたことと意図的に目をつぶることは著作権の寄与侵害のために必要とされる意図要件の充足を確立するが、不注意による過失だけでは著作権の寄与侵害のために必要とされる意図要件を充足しないと判示した。

No. 16-1972 (February 1, 2018)

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FOX NEWS NETWORK, LLC対TVEYES, INC. 事件

第2巡回区控訴裁判所はこの判決で、検索されたビデオクリップを視聴させる機能が米国著作権法上のフェアユースに当たるか否かについて、4つのフェアユースファクターを検討した結果、この具体的事例に関してはフェアユースにあたらないと判示した。この判決は、フェアユース原則の将来の適用にかなりの影響を有つと思われる。特に、ファクターの1つである、著作物の潜在的市場に対して使用が与える影響が、フェアユースの分析において相当の重みを持っていることが明確になった。

2d. Cir., No.15-3885 (February 27, 2018)

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2018年3月号

AATRIX SOFTWARE, INC 対 GREEN SHADES SOFTWARE, INC 事件

CAFCはこの判決で、連邦民事訴訟規則12条(b)(6)の下で、訴状の却下の申立て理由が発明の適格な主題の欠如であっても、訴状に説得力のある事実に関する主張があれば、この申立てが拒否されることを判示した。特許権者は、アリス分析に沿って詳細な主張を含むように訴状を修正することで、適格な主題の欠如による訴状却下の申立てに対して反論しうる。

CAFC No. 2017-1452 (February 14, 2018)

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BERKHEIMER 対 HP INC. 事件

CAFCはこの判決で、当業者が合理的にクレームの文言の意味を理解できなかったことを示す内的証拠及び外的証拠の観点から「最小の冗長性」の文言が不明確であるという連邦地裁の判決を支持した。CAFCは、クレームは明細書及び出願審査経過に照らし、当業者にとって客観的な境界を提供しなければならないという、先例において確立された基準を再度適用し、この基準が程度を示す文言に適用されることに言及した。この判決は、クレームが程度を示す文言を含む場合に、クレームの文言の意味が「合理的に明確」であるように、明細書が、程度を示す文言に対する客観的な境界を提供する例示や他の開示を含むことが重要である、ということを再認識させた。

No. 2017-1437 (February 8, 2018)

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2018年1月号

Exmark Mfg.Co. 対 Briggs & Stratton Power Prods. Grp., LLC 事件

CAFCはこの判決で、クレームが有効であるという再審査手続における米国特許商標庁の判断に地裁が単に依存することはできないと判示した。CAFCはまた、最高裁の Halo Electronics, Inc. v. Pulse Electronics, Inc., 136 S. Ct.1923 (2016) 判決に照らして、故意侵害は裁判官ではなく陪審員が判断する争点であることを明確にした。この判決は、特許クレームが米国特許商標庁での再審査における攻撃に生き残ってきたとしても、陪審裁判で特許の無効を証明できる可能性があることを示している。

No. 2016-2197 (January 12, 2018)

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Wi-Fi One, LLC 対 Broadcom Corp. 事件

CAFCはこの判決で、IPRの申請が時期的制限により禁じられるか否かについてUSPTOによりなされた決定を再審査の対象とすると判示した。すなわち、IPR申請が時機に遅れたものであると特許権者が主張し、PTABがそれにもかかわらずIPRを開始した場合、特許権者はPTABの決定に対して不服を申し立てることができる。

No. 2015-1944 (Fed.Cir.January 8, 2018)

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