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月刊The Lawyers 2013年3月号(第161回)

3. Highmark, Inc. 対 Allcare Health Management Systems, Inc. 事件

No. 2011-1219 (December 6, 2012)

- 代理人費用の裁定に関する例外的事例の判断は、
CAFCの再審理事項に属することを認めた判決 -

この事件は、故意侵害の認定後の加重賠償と「例外的」事例における代理人費用の裁定のための合議体での再審理の申し立て、及び大法廷での再審理の申し立てに関する。

CAFCの多数意見はこれらの申し立てを却下した。デュク判事及びニューマン判事は、大法廷での再審理の申し立てを却下することに対して賛成意見を述べ、ムーア判事、レーダー判事、オマリー判事、レイナ判事、及びヴァラッハ判事は、大法廷での再審理の申し立てを却下することに対して反対意見を述べた。

例外的事例の適用基準には、制裁を受ける当事者の姿勢が客観的に不合理で、主観的に悪意の主張をしているか否かということが含まれる。

CAFCにおける争点は、クレーム解釈の姿勢が客観的に不合理であるか否かに関係したそのような判断に関する初めからの審理が、控訴審において適切であるか否かということであった。

デュク判事の同意意見は、多数意見が再審理を拒絶したことを支持する5つの根拠を提供した。

第1に、同意意見は、代理人費用の裁定に関する法律上の文言は、法律問題に関する地方裁判所の決定に服することを指示してはいないと述べた。

第2に、同意意見は、代理人費用の裁定を支持する関連ポリシーの考慮は、連邦民事訴訟規則の規則11の下で、抑止ポリシーよりもむしろ勝訴当事者に対する補償に関係していると述べた。

第3に、デュク判事は、加重賠償及び代理人費用はしばしば数百万ドルに上る莫大な裁定となり、最高裁の判例の下ではより徹底的な審理が求められると述べた。

第4に、同意意見は、加重賠償又は代理人費用の評価は、訴訟提起時点よりもむしろ、訴訟全体の間に取られる姿勢によるものであると述べた。

第5に、デュク判事は、CAFCは加重賠償の認定及び例外的事例の判断に関する審理の前に実体に関する控訴審審理を行うと述べ、地方裁判所が例外的事例の判断を行う唯一の立場にある訳ではないと示唆した。

これらの理由から、デュク判事は、CAFCの合議体が行った例外的事例の判断に関する初めからの控訴審審理について再考すべきではないとした合議体の多数意見に同意した。

反対意見を述べた判事等は、これに同意せず、地方裁判所による例外的事例の判断については、より多くの調査を伴う初めからの審理ではなく、明白な誤りについて審理されるべきであると主張した。

反対意見を述べた判事等によれば、合議体の意見は判例から逸脱しており、他の法域において例外的事例の認定を考慮する他の裁判所がもたらした尊重すべき審理と矛盾する。反対意見は、何かが「客観的に根拠を欠く」か否かに関する認定は、特許法に限定されるものではなく、特許事件に特有のルールを作る理由は無いと論じた。

ハイマーク事件においてCAFCが再審理を拒絶したということは、地方裁判所による例外的事例の判断が、控訴審においてはより厳密な審理を受けるであろうということを意味する。

CAFCが激しく分裂したということは、この争点に関する最高裁による審理が可能であろうということを示唆している。この判決は、控訴審においてどのような争点が初めからの審理を受けるべきでありどのような争点が受けるべきではないかに関する、CAFCのメンバー間で進行中の会話の一部として捉えることもできよう。

この判決のポイント

この判決は、代理人費用の裁定に関する例外的事例の判断は、控訴審において初めからの審理(de novo review)を行ってよいことを示した。しかしながら、反対意見を述べた判事も多いため、将来的にはこの争点について最高裁による審理が行われる可能性もあると考えられる。

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