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月刊The Lawyers 2007年1月号(第89回)

3. Meade Instruments Corp. 対
Yamcon, Inc.事件

No. 05-1555 (August 25, 2006)

- クレームの解釈 -

本件は、先例とならない判決であるが、CAFCは、地方裁判所のクレーム解釈、および被告の「SkyScout」製品がMaedaの特許権を侵害していないとする地方裁判所の判断を、支持した。

本件は、米国特許第5,311,203号(以下、203特許)に関する。203特許は、「裸眼で観測可能な天体を識別して位置を確認する携帯デバイス」に関する。本デバイスは、指し示している方角を決定し、データベースに格納されている座標を使用して、ユーザが天体を発見して識別することを補助する。

侵害被疑品であるSkyScout製品も携帯型の観察デバイスであり、「探索モード」および「識別モード」を有する。本デバイスは、ユーザの視界に矢印を表示する。この矢印は、天体が現れるまでデバイスを移動させるようにユーザに指示するものである。SkyScoutはまた、デバイスの側面に位置するスクリーンに、格納されている情報を表示する。矢印は視界に重ねられるが、表示スクリーン上の情報を見るためには、観察者は目をデバイスから離さなければならない。

地方裁判所は、「SkyScoutは、ユーザが視界を観察する際にユーザにデータを同時に提示する必要がある(請求項1)ということや、ユーザが装置の視界を観察する際にユーザにリアルタイムにデータを提供する(請求項15)という、請求項の限定を充足していない」とした。そして、地方裁判所は次のように述べた。「SkyScout装置のサイドスクリーンに表示される情報は『データ』であるが、ユーザが視界を観察する際にユーザに提示されたり提供されたりしない。また、方角を示す矢印はユーザが視界を観察する際にユーザに提示されるが、方角を示す矢印は『データ』を構成しない」。

請求項および明細書を考慮して、CAFCは地方裁判所を支持し、ユーザに提示される情報は「ユーザが視界を観察するのと同時に」見えなければならないとした。CAFCはまた、「データ」が方角を示す矢印を含まないとした地方裁判所のクレーム解釈を支持した。なぜなら、請求項および明細書を見れば、請求項はデバイスのデータベースに入力済みの所定のデータセットに言及しており、単に最も広い意味での何らかの抽象的なデータビットに言及しているわけではないことが明らかだからである。

本件は、侵害の分析に対してクレーム解釈が重要であることを示している。本件はまた、請求された発明の均等物を包含するのに十分広い請求項を作成することの重要性を強調している。

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