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月刊The Lawyers 2005年4月号(第70回)

3. Campbell Plastics Eng'g & Mfg. v. Brownlee事件

(2004年11月10日 CAFCの判決)

- 政府との間で契約を行った者の発明の権原に関する判決 -

2004年11月10日、CAFCは、連邦調達規則("Federal Acquisition Regulations"、以下、"FARs")、米国特許法第200条、及び連邦規則集(CFR)48号52.227-11節(c)(1)、(d)に定められている、合衆国政府の発明についての権限に関する意見を表明した。

Campbell Plastics Engineering and Manufacturing, Inc (以下、"Campbell Plastics")は、自社と陸軍との間の契約に従って開発された発明に対する権原を求める管理契約官(administrative contracting officer)の主張を認めた軍事契約上訴委員会("Armed Services Board of Contract Appeals")の判決に対してCAFCに控訴した。

CAFCは、その発明に対するCampbell Plasticsの権原は政府に没収されるとした委員会の決定を維持した。この様なケースにおけるCAFCの審査の基準は、委員会の法的決定を合理的に審査するための契約紛争法(41 U.S.C)の609条(b)に基づいている。

1980年、連邦調達規則(FAR)48号52.227-11節のもととなったバイ・ドール法、特許法第200-212条が国会を通過した。

この法律により、契約者が政府との契約に従って開発した発明に対する権原を保有することについて、小規模団体が選択できるようになった。その法律に従って結ばれた政府契約では、次のような規定を設けることが要求された。

その規定とは、契約者は、「契約者側の特許担当者が発明の主題について知った後、相当の期間内に政府機関にその発明の主題を開示すること、及び、合衆国政府は上記期間内に開示されなかった発明の主題に関する権原を受けることができる」というものであった。

Campbell Plasticsが、特許弁護士に初めて発明を開示したのが1997年8月であることは議論の余地がなく、CAFCは、Campbell Plasticsは、発明の技術的概要、発明者、及び、どの契約に基づきその発明が開発されたかを示すDD Form882を1997年10月までに開示することを、契約によって義務付けられていたと指摘した。

Campbell Plasticsは、その契約違反は単に書面上の問題であり、発明の権原没収にいたるべきではないと主張した。また、発明に関する全ての技術的側面は陸軍に開示されており、陸軍が1997年6月までに主題発明の開示を受けていたことは誰の目にも明らかであったと主張した。さらに、Campbell Plasticsは、DD Formによる開示がなされないことで政府が受ける損失はなく、そのような状況で政府役人は権原要求の自由を悪用したと主張した。

CAFCはCampbell Plasticsの主張に同意せず、連邦調達規則には政府が権原要求を行うか否かを決定する自由が明確に定められていると判示した。よって、CAFCは軍事契約上訴委員会の判決を維持し、Campbell Plasticsの特許は没収されるべきであるとした。

本件は、バイ・ドール法及び連邦調達規則に基づく、契約者の発明の主題の開示義務に関するCAFCの最初の見解が示された点で重要である。

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